Otology Japan
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公募シンポジウム4
当科における耳科手術指導:画像所見と解剖所見の有機的統合
角田 篤信伊藤 卓喜多村 健岸本 誠司
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2012 年 22 巻 3 号 p. 209-213

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抄録

耳科手術医養成のために我々が行っている若手医師のためのプログラムについて紹介する。この教育プログラムの目的は側頭骨解剖の実践的な理解であり、解剖所見と画像所見の有機的な統合を目指すが、特にCT所見の徹底的な理解と解剖構築との結びつきを特長としている。薄いスライスのCTデータを研修者自身が操作し、画像上で伝音連鎖、耳管、半規管など機能解剖学的なつながりで追うことで空間的な理解が可能となる。同一のデータから作成された模型を用いた削開も可能であり、これらは研修者がいつでも自習可能である。乳突削開指導は前述の三次元模型のほか、実際の解剖体でも行うが、解剖の知識だけではなく、顕微鏡下の両眼視、吸引、ドリルの操作など両手操作の指導にも配慮している。また、頭蓋底手術では通常の耳科手術では得られない視野や操作を学ぶことが可能であり、耳科手術の理解がより深めることが出来る貴重な学習機会である。

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© 2012 日本耳科学会
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