Otology Japan
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原著論文
幼児滲出性中耳炎のチューブ抜去後経過に影響を及ぼす因子
山本 耕司内水 浩貴近藤 悠子森山 寛
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2013 年 23 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

6歳以下の幼児滲出性中耳炎症例を対象に、アデノイド切除術の有用性も含め、鼓膜換気チューブ抜去後経過に影響を及ぼす因子について検討を行った。初診時の乳突蜂巣発育度は、予後良好例が予後不良例に対して有意に良好であった。チューブ留置期間とチューブ抜去後経過との関係では、チューブ留置術を単独で施行した群では、チューブ留置期間が18ヶ月以上の群は18ヶ月未満の群と比較し、有意に予後良好であったのに対し、アデノイド切除術を併用した群では留置期間による差を認めなかった。6歳以下の幼児において、アデノイド切除術はOMEを早期に改善させる効果があることを認めた。幼児OMEに対するアデノイド切除術の併施に関しては、長期的予後には影響がないが、OME再発の予防的効果が期待できることなどを考慮して検討する必要がある。

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© 2013 日本耳科学会
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