Otology Japan
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公募インストラクションコース10
内視鏡下耳科手術: 教育としてのツール
西池 季隆
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2014 年 24 巻 3 号 p. 277-282

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抄録

当科では、若手医師の耳科手術教育に内視鏡下耳科手術 (endoscopic ear surgery: EES) を活用している。顕微鏡下手術では、若手医師がのぞき込んでいる顕微鏡下の画面内で、上級医が指さしして術野に出現した構造物を解説することは困難である。また若手医師が術野の処理をしている際に、具体的な手術操作の指導も困難である。指示を得るためには、しばしば若手医師は上級医が解説する手術モニターの方に視線を向けなければならない。しかし、EESでは観察する術野は上級医と若手医師でモニター画面上において同一であり、術野に出現した構造物はその場で上級医が指さしで解説することで若手医師は即座に理解することができる。また手術操作に関しても、剥離の方向やアプローチルートを画面上で上級医が指し示すことによって、若手医師は手術操作をしながら把握することが可能である。このことから、EESによる手術教育は、耳科手術教育に有効であると考える。

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© 2014 日本耳科学会
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