Otology Japan
Online ISSN : 1884-1457
Print ISSN : 0917-2025
ISSN-L : 0917-2025
原著論文
鼓室型グロムス腫瘍の4例
本庄 需野口 佳裕川島 慶之高橋 正時喜多村 健
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 25 巻 2 号 p. 111-118

詳細
抄録
鼓室型グロムス腫瘍は、本邦では1956年に初めて報告された比較的まれな疾患である。今回、2006年5月から2013年12月までに鼓室型グロムス腫瘍と診断され、当科にて外科的治療を行った4例について検討を行った。患者は全例女性であり、年齢は46~74歳であった。自覚症状として、全例で拍動性耳鳴がみられ、3例では難聴が認められた。全例で術前の塞栓術を施行せずに手術を行い、出血量をコントロールして腫瘍を摘出しえた。良好な視野とワーキングスペースを確保しながら少ない出血量で腫瘍を完全摘出するためには、(1) 術前の画像所見から推測される進展範囲に基づいた適切な術式選択、(2) バイポーラ型電気メスによる腫瘍の縮小、(3) 栄養血管の電気的焼灼が有用である。
著者関連情報
© 2015 日本耳科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top