Otology Japan
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25 巻 , 2 号
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原著論文
  • 岡野 高之, 谷口 美玲, 伊藤 壽一
    2015 年 25 巻 2 号 p. 97-103
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    ABRで中等度以上の難聴と診断された乳児60例において側頭骨CTの所見を、1) 中等度・高度難聴の鑑別診断、2) 一側性重度難聴と両側重度難聴の比較、3) 内耳・内耳道の奇形と聴力、の3つの点を中心に検討した。中等度・高度難聴を有する31例中28例において側頭骨CTで異常所見をみとめ、難聴の鑑別診断に有用であった。一側重度難聴では、16例中10例に骨性蝸牛神経管狭窄を認め、特徴的な所見であった。両側重度難聴では骨性蝸牛神経管狭窄は認めなかったことから、一側重度難聴例と比較して難聴の病態が異なることが推察された。蝸牛・前庭や内耳道の奇形例では重度難聴を示したが、半規管奇形と難聴の相関はなかった。上記の結果から、先天性の一側重度難聴や両側中等度・高度難聴において側頭骨CTで異常所見を検出する割合が高く、これらの難聴の鑑別診断とその後の聴覚管理の観点から側頭骨CTを実施する意義があると考えられた。
  • 荒井 康裕, 高橋 優宏, 佐久間 直子, 松田 秀樹, 折舘 伸彦
    2015 年 25 巻 2 号 p. 104-110
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    後天性真珠腫の内、鼓膜の穿孔縁から上皮が入りこむ事で形成される真珠腫は二次性真珠腫と定義されている。当科で経験した二次性真珠腫症例について臨床的検討をおこなった。対象は、2005年から2010年までの5年間に当科で初回手術を行った後天性真珠腫111耳のうち、二次性真珠腫と考えられた7名7耳である。二次性真珠腫の特徴として、ツチ骨柄付近より表皮が鼓膜裏面へ侵入する、患者の年齢が高い、表皮の進展は深くない、耳小骨破壊の程度はかるい、穿孔性中耳炎としての経過が長いという事が報告されている。しかし、ツチ骨柄付近ではなくキヌタ骨長脚周囲や穿孔縁から鼓膜裏面を這うように真珠腫が進展するといった非典型的な進展形式を示す例を経験した。術後聴力成績は、患者合併症のため第二次手術を施行しなかった1例を除く6例で成功基準をみたした。真珠腫の再発は、段階的手術を選択し第二次手術を施行した1例で、アブミ骨底板上に遺残性真珠腫を認めたが、その他6例では再発を認めず経過良好であった。
  • 本庄 需, 野口 佳裕, 川島 慶之, 高橋 正時, 喜多村 健
    2015 年 25 巻 2 号 p. 111-118
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    鼓室型グロムス腫瘍は、本邦では1956年に初めて報告された比較的まれな疾患である。今回、2006年5月から2013年12月までに鼓室型グロムス腫瘍と診断され、当科にて外科的治療を行った4例について検討を行った。患者は全例女性であり、年齢は46~74歳であった。自覚症状として、全例で拍動性耳鳴がみられ、3例では難聴が認められた。全例で術前の塞栓術を施行せずに手術を行い、出血量をコントロールして腫瘍を摘出しえた。良好な視野とワーキングスペースを確保しながら少ない出血量で腫瘍を完全摘出するためには、(1) 術前の画像所見から推測される進展範囲に基づいた適切な術式選択、(2) バイポーラ型電気メスによる腫瘍の縮小、(3) 栄養血管の電気的焼灼が有用である。
教育セミナー1
  • 神谷 和作
    2015 年 25 巻 2 号 p. 119-122
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    コネキシン (Cx) 26をコードする遺伝子GJB2は遺伝性難聴原因遺伝子の50%以上と最も高頻度に変異が検出されるが未だ有効な根本的治療法や治療薬は存在しない。Cx26は蝸牛細胞間のイオン輸送を担うギャップ結合の構成要素の一つだが蝸牛には同等のイオン輸送能を持つCx30など他のコネキシン分子も豊富に存在するため、Cx26単独の機能が低下してもイオン輸送機能はある程度補完されることが予想される。しかしCx26の変異を持つ遺伝性難聴患者は重篤な聴覚障害を示し、その原因は不明であった。適切な遺伝子改変モデル動物の蝸牛ギャップ結合を詳細に解析することにより病態の生化学機構が明らかとなってきた。
  • 任 書晃, 日比野 浩
    2015 年 25 巻 2 号 p. 123-128
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    内耳蝸牛を満たす内リンパ液は、+80mVの高電位を示す特殊な細胞外液である。この内リンパ液高電位は、聴覚に必須である。我々はこれまでに、実験科学により内リンパ液電位が内外2層の機能的上皮組織から成る血管条の2つのK+濃淡電池に起因すること、また、計算科学によりそのイオン濃度環境の維持には蝸牛内K+循環機構が必要であることを明らかにした。しかし、2層のうちラセン靭帯を主とする外層におけるイオン輸送機構は、これまで十分に明らかにされてこなかった。近年我々が行った電気生理学的研究により、ラセン靭帯に発現するNa+、K+、2Cl-共輸送体はK+輸送に寄与しておらず、主にNa+、K+-ATPaseがK+循環を担うことが示された。今後、コンピューターシミュレーションにより、ラセン靭帯の役割を解析し、K+循環と内リンパ液高電位の成立に深く関わっていることを明らかにしたい。
教育セミナー2
  • 富樫 英
    2015 年 25 巻 2 号 p. 129-133
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    内耳の聴覚上皮を頂端面側から観察すると、有毛感覚細胞が支持細胞によって隔てられて2種類の細胞が市松模様に並ぶが、このメカニズムは長く不明であった。筆者らは細胞接着分子ネクチンに着目し、このメカニズムを明らかにした。ネクチンはネクチン-1から-4までのファミリーの間で同じサブタイプ間のホモフィリックな結合よりも異なるサブタイプ間のヘテロフィリックな結合の方が強い。異なるネクチンを発現する細胞を混合培養したところ、2種類の細胞は混ざり合いモザイク様の細胞パターンが形成された。マウス聴覚上皮では、有毛感覚細胞でネクチン-1、支持細胞ではネクチン-3がそれぞれ相補的に発現しており、これらのネクチンのノックアウトマウスでは市松模様の細胞パターンの破綻が観察された。すなわち、異なるネクチンのヘテロフィリックな相互作用によって聴覚上皮の市松模様の細胞パターンが形成されることが明らかになった。
教育セミナー3
  • 石川 浩太郎
    2015 年 25 巻 2 号 p. 135-139
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    感音難聴は先天性障害の最も多い症状の一つである。しかし、感音難聴に関連する遺伝子は100以上存在すると言われており、個々の感音難聴患者の原因遺伝子を同定することは困難であった。宇佐美らがインベーダー法という日本人に頻度の高い13遺伝子46変異の網羅的解析を行う検査法を確立し、2012年から健康保険の対象となっている。この方法で同定されなかった場合は、共同研究による追加検査が可能である。先天性難聴の遺伝子診断を行う際は、遺伝カウンセリングの実施と書面での同意書の取得が重要である。難聴遺伝子検査の結果説明において不適切な対応がなされている症例が散見されており、実施する耳鼻咽喉科医師は、十分な知識と責任を持って取り組む必要がある。遺伝子診断は難聴を診療する上で非常に有用なツールであり、今後の原因別個別化医療の発展のためにも、難聴遺伝子検査が進歩し、普及することを期待している。
教育セミナー4
  • 守本 倫子
    2015 年 25 巻 2 号 p. 141-143
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    新しい小児人工内耳適応基準2014の内容について解説した。従来と異なる点は、適応年齢が1歳以上かつ体重8kg以上、聴力は裸耳90dB以上かつ補聴器装用にて閾値45dBに満たないもの、語音明瞭度が50%未満であるもの、重度難聴遺伝子変異があり改善の見込みがないもの、1kHz、2kHz以上が聴取できず構音の発達が望めない場合が対象となった。また両耳装用を否定しないとの一文が加わった。
  • 山本 典生
    2015 年 25 巻 2 号 p. 144-149
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    小児人工内耳適応基準 (2014) により適応年齢の下限が1歳に下げられ、体重の下限が8kgと設定された。また、両側人工内耳手術も有用と判断された場合は否定しないとされた。これらの変更に伴い、いくつかの手術手技上留意すべき点が生じている。乳児は低体重で循環血液量が少ないため、少量の出血でも問題となることがある。乳突蜂巣の発育が未熟な症例では、骨髄からの出血をこまめに止血しながら手術を進めることが肝要である。また、茎乳突孔が外側にあるため、皮膚切開を乳様突起先端にまで及ばないようにしなければならない。人工内耳本体の設置の際は糸による固定が必要だが、乳児の頭蓋骨が薄いため硬膜露出の可能性もあり、セルフドリリングスクリューの使用など工夫が必要である。また、両側人工内耳手術を異時性に行う場合は加熱メスの使用が有用である。さらに両側手術による前庭機能障害を避けるため、低侵襲手術を考慮する必要がある。
教育セミナー5
  • 濵田 昌史
    2015 年 25 巻 2 号 p. 151-154
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    顔面神経非回復性麻痺には2種類ある。ひとつはベル麻痺やハント症候群など無治療によってもある程度の回復が期待される不完全治癒例、もうひとつは外傷や腫瘍による後遺完全麻痺である。前者に対しては、エレクトロニューロノグラフィーなど電気生理検査によって予後判定を行い、後遺症が予想される症例においてはリハビリテーションによってこの予防に努める。すでに後遺症が固定している症例では、ボツリヌストキシン治療によって拘縮や病的共同運動をいったん軽減した後に改めてリハビリを行う。外傷や良性腫瘍によって完全麻痺が遷延する場合には、晩期減荷術のみで良好な表情運動の回復が認められることがある。腫瘍などの治療のために顔面神経を切断しなければならない場合には、中枢および末梢の断端が明かであれば大耳介神経や腓腹神経を用いた神経移植を、中枢断端が不明確ならば舌下神経との吻合術を行う。
パネルディスカッション1
  • 東野 哲也
    2015 年 25 巻 2 号 p. 155-159
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
  • -活用の現況-
    山本 裕
    2015 年 25 巻 2 号 p. 160-163
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    2008年から2014年までの学会抄録、および原著論文を渉猟し、真珠腫進展度分類の活用状況を調査した。その結果、分類の利用は増加傾向にあり、活用法も多岐に渡っていた。この分類により、真珠腫の病態、術式選択、術後成績などをメタアナラシスにより検討できる可能性が示唆された。本分類の更なる普及と施設間の使用法の相違を減らすためには、継続的な改編やコンセンサス作りが重要と考えられた。
  • -臨床的立場からの報告-
    長谷川 賢作, 大田 隆之
    2015 年 25 巻 2 号 p. 164-166
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    われわれは中耳真珠腫進展度分類2010改定案の臨床的有用性について報告した。この分類は、中耳真珠腫の存在部位を明瞭に示すものであり、耳科手術医にとって共通の言語となった。更に、簡潔な構成から成るために、医療スタッフや患者にも理解しやすいものである。
  • -分類不能症例を検討して-
    大田 隆之, 呉 晃一, 久保田 亘, 水吉 朋美, 松井 和夫
    2015 年 25 巻 2 号 p. 167-173
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    中耳真珠腫の進展度分類の活用法を論じるにあたり、当科の症例をretrospectiveに検討して分類が困難な症例に着目し検討した。2009、2010年の2年間に当科で初回手術を行なった中耳真珠腫新鮮例は118耳あった。内訳は、弛緩部型65耳 (55.1%)、緊張部型20耳 (16.9%)、二次性10耳 (8.5%)、先天性11耳 (9.3%) で、分類不能は12耳 (10.2%) であった。
    分類不能は、「弛緩部型」と「緊張部型」の合併した「混合型」の症例、真珠腫本体の他に非連続性の真珠腫塊を認め真珠腫が多発している「多発型」の症例、「その他」の大きく3群に分けられた。
    「混合型」、「多発型」の症例を提示し、アナライザーを用いた聴衆参加型のパネルデスカッションの回答を提示し、真珠腫の病態も含め検討した。
  • -施設間比較-
    松田 圭二, 東野 哲也, 小島 博己, 小森 学, 山本 裕, 森田 由香, 大田 隆之, 長谷川 賢作
    2015 年 25 巻 2 号 p. 174-178
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    目的: 中耳真珠腫進展度分類 (2010) の実用性を評価すること。方法: 対象は、2009~10年に当該5施設で初回手術を行い3年間経過を見た後天性一次性真珠腫350例である。病型、進展度と術後聴力、再発との関係を施設間比較した。結果: 病型は、弛緩部型66~78% (平均71%)、緊張部型17~28% (平均21%)、混合型4~12% (平均8%)。術後、気骨導差が20dB以下に改善した割合は、弛緩部型74%、緊張部型62%、混合型34%と混合型が最も低く、各病型とも進展度が高いほど低くなった。遺残再発率は3~18% (平均10%) で、段階手術では術後12ヶ月に、一期的手術では術後24~36ヶ月に発生のピークが見られた。再形成再発は0~4.4% (平均2%) で、術後6~36ヶ月に渡り見られた。いずれの再発も進展度が高いほど増加した。結論: 進展度分類で施設間のデータ収集、比較が容易になった。また、術後聴力や再発率とも良く相関し実用的であることがわかった。
  • -将来展望-
    小島 博己, 小森 学
    2015 年 25 巻 2 号 p. 179-182
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    真珠腫進展度分類を将来どのように活用していくかということに主眼を置いてみた。現在の真珠腫手術における問題点として、全国の手術症例数の把握が出来ていないこと、再発と聴力予後に関して施設ごとの成績しかなく全国規模での成績がないこと、病態が多様であり適切な技術評価がなされていないことの3点を呈示した。その上でかねてから行っていた多施設共同研究による真珠腫手術データベースを活用した、全国規模での症例登録の提案を行い、さらにそこから得られた知見から真珠腫手術手技における専門性の評価が出来ないかどうかに関して提案した。またさらなる将来展望に関しても考えてみた。
パネルディスカッション2
  • -全国アンケート調査から-
    岸部 幹, 吉田 尚弘, 立山 香織, 森田 由香, 原渕 保明
    2015 年 25 巻 2 号 p. 183-188
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    今回、我々は全国の耳鼻咽喉科を対象にANCA関連血管炎性中耳炎 (OMAAV) に対するアンケート調査を実施し症例を集積し、OMAAVの臨床像を検討したので報告する。
    自施設を含む、全国の耳鼻咽喉科、123施設に対しOMAAVについてアンケート調査を行った。その結果、65施設、297症例の詳細が得られた。男性86例、女性211例で、年齢は13歳から89歳、年齢中央値は67歳であった。初診時にOMAAV診断基準の確実例が241例 (82%) であり、疑い例が22例 (7%)、非適合例が31例 (11%) であった。初診時の病変部位では、耳294例 (97%)、鼻95例 (32%)、その他上気道24例 (6%)、肺80例 (27%)、腎55例 (18%) であった。また、OMAAVの特徴である、顔面神経麻痺、肥厚性硬膜炎を初診時に伴っていたものはそれぞれ、54例 (18%)、44例 (15%) であった。生命予後については、原病死4例、治療関連死4例を認め、経過の詳細が判明している287例中8例 (2.8%) が死亡していた。また、OMAAVと耳症状を伴わない多発血管炎性肉芽腫症 (GPA) の比較では、OMAAVでは初診時に耳症状を伴わないGPAより顔面神経麻痺、硬膜炎が多く、検査ではMPO-ANCA陽性例が多かった。これらから、2013年に提案されている診断基準 (案) の修正を行った。
  • 立山 香織, 児玉 悟, 鈴木 正志, 岸部 幹, 原渕 保明
    2015 年 25 巻 2 号 p. 189-195
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    ANCA関連血管炎性中耳炎 (OMAAV) の臨床像、病態をより明確に把握するため、全国アンケート調査より集積した297症例を3群に分類し (PR3-ANCA陽性群、MPO-ANCA陽性群、ANCA陰性群)、それぞれの臨床的特徴について検討した。PR3-ANCA陽性群は、鼻病変及び肺病変の合併率が高く、再燃率が高く、他臓器発症型の割合が最も高かった。MPO-ANCA陽性群は、OMAAV全体の約半数を占め、PR3-ANCA陽性群と比し診断時の年齢が高く、中耳炎発症型の割合が高かった。両ANCA陰性群は他群と比し肺病変、腎病変の合併率は低く、肥厚性硬膜炎の合併例が多く死亡率が高かった。これらの特徴はOMAAVの診断、及び経過をみる上で重要な所見となりうる。
    また、臨床的にANCA関連血管炎が疑われるのにも関わらず、臨床検査でANCA陰性であった16症例について、抗原固相方式の異なるELISA測定法 (direct法、capture法、anchor法)、間接蛍光抗体法によるANCAの検出を試みた。さらにPR3、MPO以外のANCA関連自己抗体の存在を調べた。その結果、異なるELISA測定法によって4症例でPR3またはMPO-ANCA陽性を認め、2症例でPR3、MPO以外のANCA (elastase-ANCA 1例、BPI-ANCA 1例) を認め、2例で間接蛍光抗体法によるP-ANCA陽性が確認された。ANCA陰性例については、異なるELISAキットや間接蛍光抗体法を用いること、PR3またはMPO以外のANCA関与の可能性を考えることが診断に有用であると考えた。
  • -顔面神経麻痺、肥厚性硬膜炎、再燃例の検討-
    森田 由香
    2015 年 25 巻 2 号 p. 196-201
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    OMAAV全国調査 (2次調査) の結果を、顔面神経麻痺、肥厚性硬膜炎、再燃の有無について解析し、その特徴を報告した。顔面神経麻痺は94例32%に、肥厚性硬膜炎は70例24%にみとめ、いずれもOMAAVに合併しやすい病態であることが明らかになった。これらの病態の出現はOMAAVの診断に有用であると思われ、診断基準にも採用された。一方、再燃例の検討では、125例43%で何らかの再燃があり、再燃率の高い疾患であることが改めて確認された。そして、治療に関して、ステロイド単独治療と免疫抑制薬の併用では、ステロイド単独治療例でより再燃率が高く (p=0.04)、OMAAVの治療においては免疫抑制薬の投与が必要であると考えられた。
  • -聴力像、聴力予後に関わる因子の検討-
    吉田 尚弘
    2015 年 25 巻 2 号 p. 202-207
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    ANCA関連血管炎性中耳炎全国2次調査で集積された症例のなかで、治療前後の経過、聴力予後を追跡し得た284例480耳についてPR3-ANCA、MPO-ANCA抗体陽性率、発症様式、治療、全身症状と聴力像、聴力予後に関わる因子を検討した。
    全症例の聴力予後は、治癒・著明回復 30%、回復 30%、不変・悪化 40%で、治療前気導骨導聴力レベルに差はなかった。感音難聴型は伝音難聴型、混合性難聴型と比して聴力予後が悪く、特に聾では、聴力は回復しなかった。治療前の聴力レベル、年齢、鼓膜所見、鼻・肺・腎障害合併は聴力予後に影響を与えなかった。
    両ANCA陰性群では、聴力予後が悪かった。顔面神経麻痺の合併症例では聴力予後に影響し (オッズ比 0.39)、顔面神経麻痺と肥厚性硬膜炎合併例ではさらに聴力予後に強く影響した (オッズ比 0.32)。副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬の併用は有意に聴力予後を改善した (オッズ比 2.21)。
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