Otology Japan
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原著論文
再発性真珠腫に対する術式選択と術後成績
田中 康広大村 和弘蓮 琢也海邊 昭子深美 悟春名 眞一
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2017 年 27 巻 2 号 p. 90-96

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抄録

2011年4月から2015年3月までに当科で手術加療を施行した再発性真珠腫16例の臨床像を分析し、再発性真珠腫に対する術式選択について検討した。再発前に施行された前回の手術術式は経外耳道的上鼓室開放術(TCA)が最も多く、次いで外耳道後壁削除・再建型鼓室形成術(CWD + CWR)であり、軟組織による再建部位からの再発がほとんどであった。再手術時に施行した手術術式では外耳道後壁保存型鼓室形成術(CWU)が7例と最も多く、CWDが5例、CWD + CWRが2例であった。再手術後に再発を認めた症例は2例あり、CWUおよびCWD + CWRの症例であった。CWDを施行した症例では再発を認めなかったものの1例でcavity problemを生じた。再々発およびcavity problemを起こした症例は全て小児症例であった。症例数も少なく経過観察期間も短いが、再手術に関しては再発時の病態や患者年齢などを総合的に考慮し、より望ましい術式を選択すべきである。

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© 2017 日本耳科学会
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