Otology Japan
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原著論文
顕微鏡・内視鏡下慢性中耳炎手術の術後成績比較
安井 徹郎野田 哲平岡 正倫玉江 昭裕
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2022 年 32 巻 1 号 p. 82-86

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抄録

2018年07月から2019年10月までの期間に当院で行なった耳科手術は191例であり,そのうち穿孔閉鎖目的の手術は65例66耳であった.うち6ヶ月以上追跡可能であった60耳を経外耳道的内視鏡下耳科手術(Transcanal Endoscopic Ear Surgery: TEES),顕微鏡下耳科手術(Microscopic Ear Surgery: MES)に分け,MESをさらに経外耳道的顕微鏡下耳科手術(耳内法MES),耳後切開顕微鏡下耳科手術(耳後法MES)に分けて検討した.

鼓膜穿孔閉鎖率は95%,聴力改善成功率は95%であり,今回の検討ではTEES・耳内法MES・耳後法MESの各手術法別で閉鎖率および聴力成績に統計学的有意差は認めなかった.

侵襲度の検討としては手術時間では耳内法であれば鼓膜形成術・鼓室形成術I型ともにTEESおよびMESにおいて有意差はなかった.

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© 2022 日本耳科学会
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