応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
最近の展望
光量子状態の凍結と再生
上妻 幹旺
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2003 年 72 巻 2 号 p. 186-190

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抄録

光は最も速く,最も堅牢な量子情報の伝達坦体であるが,お互いに相互作用をさせることができない,止めることができないという決定的な短所をもっている.一方,質量をもつ系である原子は,止めることもできれば,お互いに相互作用をさせることもできるが,量子情報を高速で伝達させることはできないという欠点をもっている.光と原子の間で量子情報を自由にやりとりすることができれば,相補的な系がもつ短所は相殺され,長所だけを生かすことができる.ここでは,光と原子の間の量子情報のユニタリーなコミュニケーションを実現しようという世界の研究の流れを紹介するとともに,著者らが行っている研究成果について説明をさせていただく.

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© 2003 公益社団法人応用物理学会
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