2004 年 73 巻 6 号 p. 764-767
内部電場の空間変動を考慮しない長波長近似(LWA)は,ナノ系光学応答を解析するうえでの標準的手法であるが,電子的励起状態が高いコヒーレンスを保つ高品質な試料では,ナノスケールであってもこの手法の枠内で捉えきれない光学応答が現れる.そこでは内部電場のナノ空間構造が顕在化しており,これと物質波動関数の空間構造とのインタープレイが非線形応答や輻射緩和過程に複雑な試料構造依存性をもたらす.本稿では,このことから現れる光学応答の非LWA的側面と,それを積極的に利用した光機能デザインの可能性を論じる.