2005 年 74 巻 9 号 p. 1171-1177
長らく情報技術(IT)の驚異的な発展をハードウエア面で支えてきた,シリコン集積回路(Si VLSI)を構成するバルクシリコンMOSFETの微細化の限界が危惧され始めてきた中で,これを打破するデバイス構造として,ダブルゲートMOSFETが世界的に注目されている.ところが,このデバイス構造は20年以上前に提案されたものであった.本稿では,ポストバルクMOSFETと期待されるダブルゲートMOSFETの開発の歴史と,現状の新しいダブルゲートデバイス技術について概説するとともに,ダブルゲートMOSFETの新しい技術展開についても述べてみたい.