2006 年 75 巻 11 号 p. 1354-1358
光ファイバー網において,量子暗号,量子テレポーテーションなどの量子通信を実現するためには,1.5μm通信波長帯における量子もつれ光子対の発生は重要な技術である.本稿では,光ファイバー中の自然放出四光波混合を用いた1.5μm通信波長帯における量子もつれ光子対発生に関する研究結果を報告する.まず,自然放出四光波混合による量子相関光子対の発生原理について述べた後,偏波および時間位置に関する量子もつれ状態の生成実験について解説する.さらに,量子もつれの長距離分配実験についても報告する.