2008 年 77 巻 2 号 p. 136-142
超高速X線源の開発に伴い,原子・分子の状態・構造の動的過程を直接計測する時間分解X線分光・分析技術への関心が高まっている. 高強度フェムト秒レーザー光を固体ターゲットなどに照射したときに,ターゲット表面近傍に生成される高密度プラズマは,広いエネルギー領域にわたる超短パルスXを放射することが知られている. こうして得られるX線パルスは,フェムト秒レーザーパルスと高精度に同期するので,レーザーパルスと組み合わせた超高速時間分解計測への応用に適している. 本稿では,フェムト秒レーザープラズマ軟X線を応用し,レーザー励起物質の状態,構造変化を調べた実験例を筆者らのグループで実施した結果を中心に紹介する.