レーザー冷却の技術の進歩により,原子集団を量子縮退領域まで冷却し,ボース・アインシュタイン凝縮やフェルミ縮退を生成することが可能となった.そして,近年,光格子と呼ばれる周期的な構造をもつポテンシャルにこれらの冷却された原子を導入することによって,強相関系などの量子多体系の研究を,制御性のよい原子と光からなる系を用いて行おうという研究が進められている.本稿では,この量子シミュレーションと呼ばれる研究について今後の展望も含めて詳しく紹介するとともに,われわれのイッテルビウム原子を用いたアプローチについても触れる.