抄録
要旨:症例は72歳の女性.腹痛・全身倦怠感を主訴に,急性膵炎および急性胆嚢炎の診断にて前医入院となった.急性胆嚢炎に対してPTGBDを施行したところ,胆汁細胞診にてclass IVの診断にて当院紹介となった.CT検査にて,胆嚢壁の軽度肥厚と内部に2 cm大の不整形隆起性病変を認め,胆嚢癌の術前診断にて,胆嚢床切除術およびD2リンパ節郭清術を施行した.病理組織学的には,ポリープ様隆起性病変は一部軟骨様分化を示し,肉腫様を呈していた.周囲には広範に粘膜内の異型腺管が認められ,高分化腺癌に相当する像であった.肉腫成分において紡錘形細胞には上皮系マーカー陰性,間葉系マーカーは陽性であり,癌腫成分において間葉系マーカーは陰性であった.以上より,真の胆嚢癌肉腫と診断された.一般に胆嚢癌肉腫の予後はきわめて不良と言われている.今回我々は,術後3年経過し再発の兆候を認めていない症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.