2015 年 84 巻 9 号 p. 798-804
ホログラフィは,原理的に物体の3次元情報を完全に記録再生可能な技術である.しかしその光学的記録において,一般にコヒーレント光が必要であり実用上の妨げとなっていた.フレネルインコヒーレント自己相関ホログラフィ(FINCH)はインコヒーレント光でホログラム記録を可能とする技術の1つで,デジタルホログラフィ技術と融合させたホログラフィ顕微鏡や3Dカメラへの応用が注目され始めている.ここでは,独自に開発した液晶偏光GRINレンズを用いることで,より実用的で小型化が可能となったFINCH顕微鏡の特徴と,その超解像蛍光顕微鏡への応用について紹介する.