2017 年 86 巻 1 号 p. 45-49
局在表面プラズモンによる増強電磁場に置かれたナノ粒子には強い光圧が作用する.その結果,ナノ粒子を貴金属ナノギャップ近傍に光捕捉できる.我々はこのプラズモン光捕捉を用いて,DNAや合成高分子などのソフトマターが特徴的なモルフォロジーを形成することを見いだした.この現象には,増強した光圧だけでなくプラズモン励起に伴う光熱効果の影響(巨大温度勾配)が働いていると考えられる.このような光と熱の協同作用を巧みに利用することで,ソフトマターの新たなマイクロパターニングが可能になると期待できる.本稿では,特にソフトマターのプラズモン光捕捉の特徴を紹介し,DNAおよび合成高分子の分子集合体形成のメカニズムについて述べる.