2017 年 86 巻 12 号 p. 1069-1073
正孔と電子が有機分子上で束縛されることで形成される「励起子」の生成・遷移・拡散・輸送過程は,有機薄膜太陽電池や有機エレクトロルミネセンス(有機EL)素子などの有機半導体デバイスの動作原理の中核をなす物理現象であり,その理解は有機半導体素子特性の向上のみならず,新しい有機半導体デバイス概念の創出にもつながるものと期待できる.近年,2種類の異なる有機分子間で形成されるエキシプレックス型励起子において,分子間の実空間距離を制御することにより,その励起子エネルギーや励起子寿命などの励起子物性が制御可能であることがわかった.