応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
解説
ナノカーボン材料の光物性とオプトエレクトロニクス応用への新展開
勝谷 郁也小松 夏実河野 淳一郎
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2018 年 87 巻 11 号 p. 814-820

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抄録

我々の生活に欠かせない元素である炭素からなるカーボン物質は,特殊な物性を示し,構造と次元により大きく変化する.特に,カーボンナノチューブ(CNT)とグラフェンの光学的・機械的・熱的特性は,基礎・応用の両面から高い関心を集めてきた.物性物理の観点からみると,グラフェンの2次元性,CNTの1次元性はともに1nmほどの究極的な量子閉じ込め効果を生みだす.ここ数年の試料・デバイス作製の発展には目を見張るものがあり,ナノカーボン物質はフォトニクス材料としてのユニークな特性を生かして光検出器や発光素子などデバイスへの応用が近づいている.本稿では,これらの物質の基礎的な性質を振り返り,オプトエレクトロニクスへの応用に向けた最先端研究を解説する.

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© 2018 公益社団法人応用物理学会
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