2018 年 87 巻 12 号 p. 902-906
単層カーボンナノチューブ(CNT)は多様な応用が期待されており,特にエレクトロニクスや光学への応用のためには,金属型と半導体型,あるいは単一構造のCNTの分離が非常に重要である.筆者らは10年以上にわたり,これら分離法を開発してきた.本稿では,筆者らの分離研究の最近の進展と,分離CNTを用いた応用開発について紹介する.混合界面活性剤を用いたゲルカラムクロマトグラフィにより,単一構造の半導体型CNTの大量分離や,高純度のエナンチオマ分離を実現した.また,応用開発の例として,バイオイメージング,室温単一光子源,センサなどを紹介する.