2019 年 88 巻 2 号 p. 115-119
日本電気(株)(NEC)は,独自の不揮発性金属原子移動型スイッチ(原子スイッチ)を搭載したFPGAの研究開発をしている.原子スイッチは,Cu原子が電圧の印加によって電極間の固体電解質中に架橋を形成・消失する現象を利用した素子であり,極めて大きなOFF/ON抵抗比が得られるという特徴を有する.本稿では,まず微細化と低リーク電流特性を両立させたCu原子スイッチの動作特性を説明する.続いて,原子スイッチFPGAの構成と,マッピングしたアプリケーション回路の動作における消費電力と動作速度の優位性を紹介する.