応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
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非調和フォノン物性の第一原理計算
只野 央将
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2020 年 89 巻 1 号 p. 35-39

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抄録

第一原理フォノン計算はフォノンダイナミクスの理解・予測を可能にする強力な手法である.しかし,現在広く普及している調和近似は原子のゼロ点振動や熱振幅が大きい場合に破綻し,また格子熱伝導や構造相転移などポテンシャルの非調和性が本質である物理現象を扱えない問題がある.これを解決するため,準調和近似(QHA)を超えて非調和効果を精密に扱う第一原理計算手法が近年提案されている.本稿では,自己無撞着フォノン(SCP)理論に基づく有限温度フォノン計算と多体摂動論によるフォノン寿命計算を紹介し,これらの有効性ならびに汎用性をSrTiO3とBa8Ga16Ge30への適用事例を通じて示す.

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© 2020 公益社団法人応用物理学会
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