応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
解説
フラグメント分子軌道(FMO)法,ならびに散逸粒子動力学(DPD)シミュレーションとの連携
望月 祐志奥脇 弘次
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2020 年 89 巻 10 号 p. 566-572

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抄録

フラグメント分子軌道(FMO)法は,タンパク質やDNAなどの巨大分子系に適用可能な量子論的な計算手法の1つである.FMO計算からはフラグメント間の相互作用エネルギーが得られるため,対象系の解析ツールとしても利用できる.本稿ではまず,FMO法の概要について私たちが開発しているABINIT-MPプログラムに関連して述べ,ペプチドの固体表面への吸着モデルなどナノバイオテクノロジー分野での応用事例を示す.次に,散逸粒子動力学(DPD)シミュレーションの有効相互作用パラメータを一連のFMO計算によって算定するマルチスケール的なFMO-DPD法について述べ,脂質系への適用例などを示す.

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© 2020 公益社団法人応用物理学会
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