2020 年 89 巻 12 号 p. 724-728
フラーレン,カーボンナノチューブ,グラフェンなどのナノカーボン系材料は,ユニークな機械的特性および電気的特性から,その物性制御に向けた合成手法開発が盛んである.一方,合成された材料の物性分析技術開発が同じく重要だが,多くの分析技術は空間分解能の限界のため,ナノ材料のマクロスケール平均を見ることが多い.マクロスケールで均一な場合はよいが,昨今のナノテクノロジー分野では,物質の不均一性を積極活用するデバイスが多い.本稿では,局所的な不均一物性を分析する顕微分光技術の紹介を行う.なお,ナノカーボン系材料を例に挙げるが,本手法は,多様なナノ材料に適応可能である.