2020 年 89 巻 6 号 p. 314-320
IoT・AI技術を支えるコンピューティング技術には,これからますます高速・大容量・低消費電力なメモリデバイスが必要とされる.そんな中,最近,CMOSプロセスで用いられている「ありふれた」HfO2材料において強誘電性が発見されたことをきっかけに,強誘電体メモリデバイスが大きな注目を集めている.強誘電体HfO2は従来の強誘電体材料と比べて何が異なるのか? また,強誘電体HfO2によってどのような新規メモリデバイスの道が切り開かれるのか? 本稿では,強誘電体HfO2がデバイス分野に与えたインパクトを述べ,強誘電体HfO2によって実現しうる各種のメモリデバイスとその応用について現状と課題を説明する.