2021 年 90 巻 11 号 p. 675-678
太陽光発電や蓄電,風力発電,電動車など,低炭素社会を支えるさまざまな技術において,電圧や周波数を変換するためのパワーデバイスが活躍している.炭化ケイ素(SiC)単結晶は,高い絶縁破壊強度などの優れた材料特性を有しており,SiCを材料としたパワーデバイスは特に高電圧用途で高い省エネ性能を発揮する.SiCパワーデバイスはさまざまな応用用途で実用化が始まっているが,さらなる適用・普及拡大に向けて,SiCウェーハの品質改善や低コスト化,大口径化が望まれている.本稿では,SiCパワーデバイスの大容量化や適用拡大に向けたSiC結晶成長に関する研究を紹介する.