2021 年 90 巻 7 号 p. 439-443
大容量電力貯蔵ツールとして,日本ガイシ(株)はナトリウム硫黄電池(NASⓇ電池)の開発を1984年に開始しました.2002年の事業化後には負荷平準化をはじめ,非常用電源,太陽光発電(PV)電力の吸収などの用途として世界各国200件超で利用されています.昨今,CO2削減が強く要求される中,再生可能エネルギーを貯蔵することが可能なNASⓇ電池への期待は大きく,有効なアプリケーションの1つといえます.本稿では,NASⓇ電池の原理,特徴をはじめ,開発動向として寿命延長,劣化抑制および高出力化について紹介します.また,アプリケーション事例として,実際に地震が発生した際の停電時におけるNASⓇ電池の自立運転事例,シミュレーションにてPV,NASⓇ電池,原子力などを想定したクリーン発電および発電機で構成される小規模モデルにおけるCO2削減効果の計算例を紹介します.