応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
解説
ミリ波でみる大気と宇宙
ビッグバンとゲリラ豪雨予測,そしてダークマター
田島 治
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2022 年 91 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

ミリ波は波長数mmの光であり,車載レーダーや第5世代通信の発展によって身近な技術となってきた.このミリ波帯域で空を見上げれば,大気や宇宙について可視光とは異なる情報が得られる.宇宙マイクロ波背景放射(CMB)は最も遠く,最も過去から地球に到来するミリ波であり,その起源はビッグバンと呼ばれる宇宙初期の超高温状態の熱放射である.CMBを精密観測することによって,宇宙の始まりについて研究できる.一方,宇宙よりも手前にある大気放射をミリ波で観測することによって,水蒸気量のモニタリングが可能である.局所的な水蒸気量の増加は,竜巻やゲリラ豪雨といった突発的気象災害の予兆の予兆ともいえる兆候であり,ミリ波センシングは気象予測にも有益である.さらに,ミリ波センシングはダークマターの研究も有望な技術である.宇宙創成と気象予測に役立つミリ波の一面について解説する.

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© 2022 公益社団法人応用物理学会
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