2023 年 92 巻 7 号 p. 420-424
無機材料から成る無機ナノ粒子は,それ自身で秩序的に配列して高次構造化することは難しいが,結合相手を選択して結合することができる選択的結合性の分子であるDNAをガイド役として表面修飾すると,ナノ粒子間の相互作用と結合を制御して思いどおりの結晶構造へと組み上げることができる.本稿では,X線小角散乱を用いた構造解析により結晶性を精密に評価することで,水和状態のみならず,乾燥後も結晶対称性を維持できるDNA修飾ナノ粒子超格子の構造条件を見いだすことに成功した筆者らの最近の研究を紹介する.