グラフェンは炭素原子1層の2次元物質であり,その優れた光・電子物性によりさまざまなデバイスへの応用が期待されている.本稿では,このようなグラフェンの光センサ,特に赤外線センサへの応用について解説する.グラフェンの赤外線センサ応用への期待と課題を整理したあと,デバイス化後の特異な光検出原理を明らかにする.さらにグラフェン固有の高感度化手法である光ゲート効果について述べる.最後に,光ゲート効果の信号増幅効果に加え暗電流抑制を可能にするグラフェン光ゲートダイオード構造と素子を2次元周期のアレイに配置することにより実現したグラフェン赤外線イメージセンサについて解説する.