2025 年 94 巻 3 号 p. 151-155
アクティブマター物理学は,自己駆動する要素の集団挙動を研究する分野である.アクティブマターは,エネルギーの供給によって駆動力を獲得したコロイド粒子,生体高分子,細胞,動物個体などが挙げられる.アクティブマター集団は,エネルギーを内部で均等に分配する通常の物質とは異なり,対称性を破って特定の運動や変形パターンを示す.例えば微生物,魚や鳥の群れや人間の集団などの生物システムから自動車などの人工システムまで複雑なパターンが形成され,そのメカニズムについてさまざまな視点から研究がなされている.本稿では,筆者らのモデル動物である線虫C. elegansを利用した研究を中心に紹介する.