氷は私たちにとって最も身近な物質の1つでありながら,その成長の“現場”で何が起きているかについては十分に理解されていない.本研究では,独自に開発した高分解光学顕微鏡を用いて,過冷却水中で成長する氷界面の様子を直接観察した.その結果,氷の成長界面で1分子ステップが自発的に寄り集まり,より高い段差を形成する「ステップバンチング現象」が起こることを発見した.さらに,寄り集まったステップ同士の衝突をきっかけに結晶欠陥が生成し,ステップが渦を巻いて成長する「渦巻成長」も確認した.これらは,氷に限らず他の多くの物質に共通する結晶成長の階層性を示すものであり,結晶成長機構の理解に新たな視点を与える.