レーザーは発明されてから22年になるが,いまだに産業としては宙立していない.したがってまだまだシーズ指向型の幅広い独創的な基礎研究が必要な段階である.ところが産業として自立できないでいるので産業界が目前でシーズ指向型研究のみを追究することは難しい.
そこで戦後の日本の各種の産業がたどったように量子エレクトロニクス分野でもまず,民生用に大量に使われるようになるために,晶質の改善と抵価格化のためのニーズ指向型研究がしばらく徹底的に追究される必要がある.そうすればやがてレーザー産業も浮上し,半導体やコンピュータ産業のように自立できよう.そうして,その余力で独創的な研究の行なえるシーズ指向型研究が行なえるようになるであろう.