1983 年 52 巻 6 号 p. 485-492
光通信用InGaAsP発光ダイオー容においてあらわれる高注入電流領域の出力飽和現象と高温における量子効率の低下の発生機構について近年集中的な研究がおこなわれてきた.バンド間発光再結合過程と競合するオージェ過程,ヘテロ障壁越え漏れ電流過程等のキャリヤ散逸過程についての実験的・理論的な研究が蓄積され,次第に明らかになりつつあるが定量釣に整合性のとれた解釈には至っていない.本解説ではこれら研究の流れを概説し,また非線形性を考慮した取扱いによって不一致が緩和されることを示すとともに,デバイス特性改善の試みを紹介する.