1984 年 53 巻 7 号 p. 627-632
分子線成長によって準備したGaAs(001)-c(4×4)清浄表面とAuとの界面形成過程,およびその熱的安定性を反射電子線回折,X線光電子分光,紫外線光電子分光,ラサフォード後方散乱,走査電子顕微鏡などによって複合的に調べた.その結果,室温においては,Asの表面への析出,Auのエピタキシャル成長,フェルミ準位のピン止めが蒸着量~0.5nmを越えないと起こらない,など,また熱処理によって,下地GaAsの〈110〉方向に何らかの不規則性をもったエピタキシャル層が形成されるなどの新しい現象が見いだされた.