抄録
アモルフアスシリコン (a-Si) 中の水素は,シリコンの未結合手による欠陥を消去するという大切な働きをしている.しかし,シランのグロー放電分解による従来からのa-Si中には110%を越える水素が含まれてしまい,その多過ぎる水素が種々の問題の原因となり,それが太陽電池などへのa-Siの応用に-つの制限を加える-因となっていた.ところが最近,加熱触媒体と原料ガスの接触分解反応を利用する.「触媒CVD法」により作られるa-Si中には,わずかの水素しか含まれないことがわかり,注目を集めている.そこで,ここでは,第2世代のa-Siともいえる,この水素含有量の少ないa-Siの特性を,触媒CVD法により作られるものを中心に解説し,その有用性を示す.