応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
酸素イオン注入Si層の結晶性回復と向上—SIMOXの結晶性向上—
西村 正山口 泰男塚本 克博中井 哲弥新屋敷 浩新行内 隆之
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1992 年 61 巻 8 号 p. 813-816

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抄録

SIMOX (Separation by IMplanted OXYgen) は高濃度の酸素をSi基板にイオン注入し,埋め込みSiO2層を形成するものであり,将来のULS1用基板技術として注目されいる.
表面Si層の結晶性はイオン注入直後の結晶性とよく対応づけられ,注入条件の制御による結晶性向上が試みられている.それらに対し,筆者らはアニール時の内部酸化で生じる過剰格子間Siが貫通転位の形成に大きな役割を果たしていると考えた.酸素濃度を十分低下させる低温保持ステップと,反応速度を急増させない低い昇温速度で1300°Cまで昇温し,その後高温保持する3段階のアニールシークエンスを考案し,従来に比べ,転位密度を2桁減少させることができた.

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© 社団法人 応用物理学会
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