1997 年 66 巻 9 号 p. 946-950
最近,He原子による原子線散乱法,表面での第2高調波発生法(Second Harmonic Gen-eration: SHG),走査型フオース顕微鏡(用語)などの硲究により,イオン結晶表面での水の吸着の仕方に興味ぶかい多様性があることが示されている.イオン結晶表面の水の吸着の問題は大変身近な問題であるのにかかわらず,意外にもよくわかっていなかった.真空中から大気中,液体窒素温度から室温まで圧力と温度を変えることによって水分子クラスターのオーダリング,新しい結晶構造をもつ結晶薄膜,氷構造をもつエピタキシーなどがみられる.その要味ぶかい振る舞いを追って見よう.