金属/半導体界面に形成される“ショットキーバリア”は,発見からすでに50年以上が経過しているが,その形成機構に明快な解答は得られていない.すべての半導体デバイスには必ず“電極”が必要であり,電極の高性能化はショットキーバリァに関する情報なくしてはありえない.発見初期にはSiやGeを中心にその形成機構が議論ざれていたが,1970年代後半からIII-V族ならびにII-VI族化合物半導体にその議論が発展し,現在にいたっている.本稿はショットキーバリアの形成機構について,これまでの研究成果を踏まえて講義する.