近年,クリーンな太陽エネルギーの有効利用に関心が集まっている.すでにさまざまな無機系半導体太陽電池が民生用として実用化されている.一方,より安価で容易に製造できると期待される植物の光合成型太陽電池の開発も基礎的な礒究が継続されてきた.著者は近年フラーレンを光合成型太陽電池に適用することが非常に有効であることを見いだし,その応用をめざしている.すなわち,光合哉の多段階電子移動,小さな再配列エネルギーをもつフラーレンの利用,および分子集合化法としての自己組織化単分子膜の適用が三つの基本方針である.本解説では著者の提唱する方法論および可能性について紹介したい.