抄録
東日本大震災で多くの企業が被災したが、BCP(Business Continuity Plan)を策定していた企業の多くは、被害があっても比較的に早期に復旧できている。BCPを核とするBCM(Business Continuity Management)は、我が国に紹介されてから久しいが、一部の大企業で取り組まれている以外は、あまり浸透していないのが現状である。我々はその理由のひとつが、震災で各企業が被る潜在的被害を具体的に想定できないことによるものと考え、それを支援する情報システムを提案してきた。そこでは、_丸1_震災の進展に伴って各企業が被る被害の可能性のシミュレーション、_丸2_シミュレーションの結果に基づいて、損害補償の観点から損害額を推定する機能、_丸3_シミュレーションの結果や、取引状況、設備代替可能性、設備入手可能性などのパラメータに基づいて、災害対策の優先順位の決定を支援する機能、_丸4_具体的な災害対策計画の立案支援機能、_丸5_災害対策計画の実施中に被災した場合の損害額推定、_丸6_災害発生時の各社員の具体的な行動計画立案支援機能、_丸7_具体的な行動計画を立案するために必要な災害発生時の社員の行動パターンを日常生活の中でアンケート形式で収集する機能、を有する。このようなシステムの概要について紹介する。