抄録
弓道の高い目標において「美しさ」は重要である。正しい射法・所作は弓道教本に示されており、正しく
弓を引くことができれば的に必ず中る(正射必中)とされている。正しく弓を引かなくても的に当てることは
できるが、弓道における高い目標には近づくことができない。正しい射法・所作を目指した日々の修練の
先に美しさがあり、射品・射格に現れてくるといわれる。
美しいと感じるのは、何がどの程度できていることなのか。ここでは、正しく弓を引いているか(正しい射
法)や正しい所作が行えているかの重要となる部分の身体の位置・角度・速さの正しさの程度を見えるよう
にするために、また、重要となる部分同士の優先の程度を見えるようにするために、弓道に関する画像・動
画を用いた心理実験と、そのデータの解析方法を検討する。
ただし、見る側(審査員・本人)は経験や感覚などによりあいまいであり、見られる側(本人)もあいまいで
あるため難しいので、面白いのではないかと考える。見られる側(本人)である人間の身体は皆ある程度の
差異があるため、身体・弓・矢の角度や位置、動きの速さ、間の取り方などは、厳密に決まっているわけで
はなく、あいまいであり、見られる側(本人)は見る側にとって正しい・美しいと感じてもらえるように工夫・調
整する必要がある。