日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PB-007
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2. 人格
日本語版Grit尺度の再検査信頼性―2ヶ月間隔の調査から―
*稲垣 勉澤海 崇文澄川 采加相川 充
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キーワード: Grit, 再検査信頼性
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抄録

「やり抜く力」などとも呼ばれるGritを高く持つ者は,GPAが高い,陸軍士官学校における過酷な訓練を乗り越えられるといった報告がある(Duckworth, et al., 2007)。Duckworth, et al.(2007)のGrit尺度は「Perseverance of Effort」と「Consistency of Interests」という2下位尺度から構成され,翻訳版も作成されている。ただし,日本語版を作成した竹橋他(2019)では再検査信頼性が未検討であったため,本研究ではこのGrit尺度の再検査信頼性を検討した。大学生を対象に,2ヶ月間の間隔を空けてGrit尺度を2回にわたり実施した。2回の対応がついた128名のデータに基づき再検査信頼性を検討した結果,下位尺度である「努力の粘り強さ(r=.69)」,「興味の一貫性(r=.74)」はともに十分な値を示した(ps<.001)。また,両者を合わせて1つの尺度として捉えた際も,再検査信頼性は十分であった(r=.77, p<.001)。一連の結果から,日本語版Grit尺度は一定の再検査信頼性を有することが示された。

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