主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
本研究では化粧における中国人女性の世代間の違いを検討した。対象は20代から60代の女性計488名であった。調査内容は化粧意識,化粧行動,化粧習慣の有無,化粧にかける金額,生活場面と化粧の関連,親から(親として)の干渉,化粧の心理的効果であった。主な結果は以下の通りであった。1)全世代で化粧の「魅力向上・気分高揚」意識が高く,50代は20代よりも化粧を「必需品・身だしなみ」と考え,化粧することの「効果不安」の意識は壮年世代が若年世代よりも高かった,2)化粧行動は60代が低頻度であり,それ以下の世代では差異はあまりなかった,3)化粧習慣については,60代が他の世代と比べて習慣的に化粧をする割合が少なく,化粧の開始年齢が遅かった(平均28.9歳),4)化粧にかける金額は,20代と30代がそれより上の世代よりも多かった,5)生活場面と化粧の関連は,集まりに出かける時は20代,30代と50代が60代よりも化粧程度が高く(念入りの化粧),一人や家族で外出する時は50代が60代よりも高かった,6)化粧開始時での親から(親として)の干渉においてはあまり世代差はなかった,7)全世代の女性に化粧のポジティブな心理的効果が認められた。