日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-048
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3. 社会・文化
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行によるリスク認知と行動への影響(1)―主観的/客観的知識量とリスク認知の関連―
*小森 めぐみ高木 彩武田 美亜
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キーワード: COVID-19, 知識, リスク認知
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抄録

本研究では,新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に対するリスク認知と知識量,政府信頼感,予防行動の実践等の関連を検討するために,2020年3月29-31日にかけて日本の成人男女を対象としてWEB調査への回答を求めた。その結果,年齢が高いほどCOVID-19感染による自己の身体的健康へのリスク認知は高かったが,性差は見られなかった。客観的知識を測定するために厚労省および日本感染症学会の関連サイトの内容を元に15問の正誤問題を作成し解答を求めたところ,正解数の平均は8.1個であった。主観的知識量の平均は5件法で3.52であった。いずれの知識量も高関心,高年齢であるほど多く,主観と客観の相関は.32であった。関心・知識量・政府信頼感が自己のリスク認知に及ぼす影響を検討した結果,関心が高いほど対象を問わず身体的健康へのリスク認知は高かったが,電磁波のリスク認知で示された形の主観的知識と客観的知識の交互作用効果は見られなかった。主観的知識が高いほど家族,高齢者と国民全体に対するリスク認知は高く,政府信頼度が低いほど国民全体のリスク認知は高かったが,いずれも関心と比べると影響は小さかった。

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© 2020 公益社団法人 日本心理学会
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