主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
本研究の目的は,インターネットでの利用コンテンツが日本人および外国人への感情に及ぼす影響を検討することであった。調査対象者はweb調査会社の登録モニター400名(内訳は性別×年代[20代/30代/40代/50代以上]の8区分にそれぞれ50名ずつ)であった。主要な質問項目は,日本人および9カ国の外国人に対する感情(感情温度計),10のインターネットのコンテンツの利用の程度であった。分析の結果,「偏りのある情報収集」に関わるコンテンツ(匿名掲示板,まとめサイト,新聞社やテレビ局以外のニュースサイト)を利用するほど日本人に対する好意感情を強める一方で,中国人および韓国人に対する非好意感情を強めていた。ただし「交流と娯楽」に関わるコンテンツ(例:LINE,Facebook,twitter,動画共有サイト)の利用は,それらの国民に対する感情に影響を及ぼさなかった。さらに新聞社やテレビ局のニュースサイトやポータルサイトの利用は,一部の外国人に対する好意感情を高めていた。これらの結果は,インターネット全般ではなく一部のコンテンツの利用が特定の国民に対する偏見の温床となる可能性を示唆するものである。