主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
【目的】社会的排斥は摂食量を増加させることが知られている。一方,特性的な所属欲求は排斥の効果を調整し,所属欲求が高い人は排斥されると集団への帰属の動機が高まるが所属欲求が低い人は逆に集団への帰属の動機が弱まることも踏まえると,被排斥時に集団への帰属という適応的行動をとらない人は,他の適応的行動,例えば摂食量を増加させることが予測される。
【方法】大学生99名(男性54名,女性45名)。実験ではサイバーボール課題を用いて排斥が操作され,参加者は一週間以上あけて排斥条件と受容条件両方に参加した(順序はカウンターバランス)。サイバーボール課題後はボウルに入ったたまごボーロを3分間好きなだけ食べるように指示された。実験の最後に,特性的な所属欲求とセルフコントロールを測定された。
【結果と考察】階層線形モデルを用い分析したところ,摂食量に対する排斥と所属欲求の交互作用効果が有意であり(p=.006),下位検定の結果所属欲求が低い参加者は受容された時に比べて排斥された時に摂食量が増加した(p=.018)。さらに,この効果は所属欲求とセルフコントロールの両方が高い参加者で顕著であり,摂食量が多かった。