日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PD-130
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4. 臨床・障害
逐語データを用いたアクセプタンス&コミットメント・セラピーにおける面接要素の検討
*伊藤 雅隆
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抄録

アクセプタンス&コミットメント・セラピー(以下ACT)は,診断横断的な特徴を持つ認知行動療法として注目を集めてきた。6つの要素を持つ心理的柔軟性を高めることで,これらの効果を得るとされている。6つそれぞれの要素を高める方法について,異なったものか類似したものかについて,面接例の逐語を用いて検討した。本研究の目的は,面接例のデータを用いて,面接内容について分類できるかを検討することである。用いたデータはACTをまなぶ(Luomma, et al., 2007 熊野他監訳 2009)とよくわかるACT (Harris, 2009 武藤監訳 2012) に記載されている面接例である。これらの面接例に対してRMeCabを用いて形態素解析を行った。形態素解析により抽出された名詞,形容詞,動詞を用いて,クラスター分析を行い,各テキストの類似度を検討した。結果として,要素ごとに分かれるような類似度は確認されなかった。心理的柔軟性の説明として,大きく2つに分かれる場合,3つに分類される場合,6つそれぞれの要素がわかれる場合があるが,本研究の結果ではどの組み合わせも反映されていないと考えらえる。各要素のつながりが強いため,面接の逐語による判別が難しいことが考えられる。

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