日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PL-004
会議情報

12. 言語・思考
物語の認知的ジャンルの特徴(1)―ジャンルタグの収集―
*福田 由紀望月 正哉井関 龍太常深 浩平長田 友紀石黒 圭
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

文章のジャンルは,専門的知識や文章の形式から分類されることが多い。教育現場での教材選択には,読者の文章に対する捉え方も重要な判断材料となるであろう。われわれはこのような読み手によるジャンルの捉え方を認知的ジャンルと呼ぶ。本研究では,教材にも使用されている物語に対象を限定し,読者の認知的ジャンルを明らかにするため,多くの人に共通する説明表現であるジャンルタグを収集した。大学生・大学院生37名に,読んだことのある物語を人に紹介する際に使う/使えそうな表現を63個のジャンルタグからすべて選ばせた。それらのジャンルタグは,物語の内容的な側面が反映されるよう広く集められた。また,選択肢に無い場合は自由記述させた。その結果,自由記述された表現は14個であり,頻度は各1であった。また,使用されなかった2個のジャンルタグを除き,選択率の共起頻度に関してWard法による階層的クラスター分析を行った。選択率の高さとクラスターの代表性の程度を考慮し,認知的ジャンルを表現するためのタグとして「ミステリ」「文学」などの15個のジャンルタグを選択した。※なお,本研究はJSPS科研費JP20H01764の助成を受けたものです。

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 日本心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top