主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
身体表出は,自他の感情状態を把握する上で重要な役割を果たす。本研究では,「感情を表す身体表出は,感情知識として記憶表現されている」と仮定し,悲しみ感情に関連する身体表出を明らかにすることを目的とした。
身体表出の静止画像刺激として,「頭の動き4パターン(平常,反り返り,やや俯き,俯き)」×「手の動き4パターン(膝の上,目の周辺,目を覆う,頭の上)」の16種類を用いた。大学生44名を対象とし,画像と感情(悲しみ,喜び,怒り,恐れ),6種類の悲しみ喚起場面(白井・鈴木,2013),身体表出特徴(e.g. 活動的)について適合度評定を7件法,もしくはVASを用いて求めた。
適合評定値に関して分散分析を行った結果,悲しみは俯いた姿勢と手を目の周辺に置く身体表出と強く関連した。また,全ての評定値を用いてコミュニティ分析を行った結果,3種類の悲しみと関連する身体表出コミュニティが明らかになった。頭を抱える身体表出から形成されるコミュニティは失敗場面に適合度が高く,持続性が短く活動性が高い表出特徴と関連があるなど,各コミュニティによって,適合する悲しみ場面や身体表出特徴が異なることが示された。