主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
新型コロナウイルスの拡大を防ぐため,休校・リモートワークが増加し,DVや虐待の増加が懸念されている。本研究ではパートナーとの身体接触とSelf-Compassion (以下;SC) に着目し,身体接触の方向(自分から・相手から・相互)とメンタルヘルス・SCに関連があるか検討した。新型コロナウイルスに関する項目,POMS,SC,パートナーとの身体接触などについてWeb調査で回答を求め(711名),パートナーのいる359名を分析対象とした。分析の結果,パートナーとの身体接触の方向とSCのポジティブ因子に有意な差が認められ,相手からと自分からで有意な差,相手からと相互で有意傾向が認められた。さらに新型コロナウイルスに感染することへの不安は,「自分から<相手から<相互」の順で大きくなり,自分からと相互で有意な差が認められた。SCのポジティブ因子がPOMSのネガティブ変数と負の相関関係があり,身体接触の方向とPOMSのネガティブ変数に有意な差がないことから,SCが高いと新型コロナウイルスに対して脅威であると評価した上で適切な対処行動としてのスキンシップ希求を行える可能性がある。今後,さらに調査を行い検討すべき課題である。